空き家お悩みコラム COLUMN

相続した実家が空き家に…売却前に必ず確認したい「私道」の落とし穴【実例解説】

date_range2025/12/22

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三木市や小野市、明石市、神戸市で空き家の有効活用相談を行っている空き家有効活用株式会社の野村です。

親が亡くなり、実家が空き家になったまま数年が経過している。
「いつか何とかしなければ」と思いながらも、忙しさや距離の問題で、つい後回しにしてしまっている方は少なくありません。

今回は、先日ご相談いただいた実際のケースをもとに、今後、不動産の売却や活用を検討される際に、ぜひ知っておいていただきたいポイントをお伝えします。

ご相談者は四国にお住まいの息子さん。
親御さんは関西にお住まいでしたがご逝去され、実家が空き家となっていました。

相続後、数年間ほとんど手付かずの状態が続いていたそうです。
毎年かかる固定資産税の支払いに加え、「遠方のため頻繁に見に行けない」「台風や地震の後が心配」「近隣に迷惑をかけていないか不安」といった金銭的・心理的な負担が積み重なり、「このままではいけない」とご相談に来られました。

まずは査定も兼ねて、実際に現地を確認させていただきました。
建物の中に入ると、「つい最近まで住まわれていましたか?」と思うほど、生活用品がそのまま残った状態。一方で、床や天井には経年劣化による傷みが見られ、雨漏りの形跡も確認できました。

空き家は、人が住まなくなると一気に傷みが進みます。
「使っていないから大丈夫」ではなく、「使っていないからこそ劣化が早まる」という点は、多くの方が見落としがちなポイントです。

次に、役所や法務局で調査を進めたところ、もう一つ大きな課題が見つかりました。
実家の前面道路が「私道」であり、その名義が「A」という法人になっていたのです。

不動産売買において私道は決して珍しいものではありません。
しかし、私道の場合、通行や上下水道工事、将来の建替えなどを行う際に、名義人の承諾(書面への記名・押印)が必要になるケースがあります。
さらに、その承諾に対して費用を請求されることもあり、これが売却時の大きなネックになることがあります。

このような条件がある不動産は、
・買主が見つかりにくい
・売却までに時間がかかる
・価格が相場の7割程度まで下がる
といったデメリットを抱えることも少なくありません。

息子さんにお伝えすると、
「そんな話は初めて聞きました。何十年も普通に通っていたのに…」
と、大変驚かれていました。

価格設定には苦慮しましたが、ここで視点を変え、近隣の方へお声がけを行いました。
すると、お隣の方から
「将来、建替えの際に敷地を広げたい」
「駐車場用地として使えたら助かる」
といった前向きな反応がありました。

その方は、私道の事情についても十分理解されており、最終的には条件にご納得いただいた上で、お譲りすることができました。

このように、一般的には売却が難しい条件を抱えた空き家でも、視点を変えることで道が開けるケースがあります。特に、お隣や近隣の方は「立地」「使い勝手」「将来の活用」を具体的にイメージできるため、意外な買い手になってくれることがあります。

空き家の売却は、単に「古い家を売る」ことではありません。
権利関係、道路状況、建物の状態、そして地域性まで含めた総合的な判断が必要です。

「まだ大丈夫」と思っている間にも、空き家の負担は確実に増えていきます。
後悔しないためにも、早めに現状を把握し、選択肢を知ることが何より大切です。

空き家のことでお悩みの方は、一人で抱え込まず、ぜひ一度ご相談ください。
私たちは、その不動産にとって最善の活かし方を一緒に考えていきます。

コラム担当者プロフィール

野村 和弘
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後、医療機器商社で営業を経験し、不動産業界へ転身。

賃貸仲介・管理を経て宅建士を取得し、売買や注文住宅の提案にも携わってきました。実家の不動産で悩んでいる方、空き家や相続の不安を抱える方と一緒に考え、丁寧に向き合うことを大切にしています。

「頼んでよかった」と言っていただける瞬間が、この仕事のやりがいです。

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