「終活で考える家じまい」―三木市で空き家を放置すると後悔する7つのリスク
date_range2025/7/14
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三木市や小野市、明石市で空き家の有効活用相談を行っている空き家有効活用株式会社の野村です。
最近、終活に向けて、生前整理という言葉を耳にする機会が増えてきました。核家族化、少子化が進む中で、如何に身の回りを整理して旅立つかはひとつのトレンドになりつつあります。
そのなかで、生前整理と共に持ち家の売却を準備する、もしくは売却する「家じまい」の考え方が少しずつ芽生えています。
目 次
実家の空き家管理費は、10年で約200万円
先日、このようなお問合せを頂きました。
Aさんは、3人兄弟の長男です。10年前、両親が亡くなりましたが3回忌までは実家を残しておこうと考えました。
その後、相続手続きをし、実家は長男のAさんが引き継ぐことになりました。Aさんは実家をどうするか考えていましたが、現在住んでいる家が少し離れたところにあったのと周りに出来る新しい分譲地では次々と家が建っており、いざとなればすぐ売れるんではないかと考えていました。
3年を過ぎた頃、いよいよ処分ということで、兄弟に了承を取り、あても分からないまま不動産会社を探し、売却を依頼しました。その頃には5年が過ぎ、家は老朽化がかなり進んでいました。
実際に売りに出してみると家の前の道路の問題やすでに住んでいる隣家の人たちとの関係性など様々なネックで新規の分譲地のようには売れません。そうこうする間に10年が経ってしまいました。

その間、Aさんが実家にかけた費用は、固定資産税、火災保険料、修繕費などを合わせて200万円以上でした。その上、草刈りなど管理をする手間もかかります。
このお話を聞いて、どのように感じるでしょうか?
実際に持ち家の価値やいざという時に信頼できる相談相手を持たず、売り時を逃してしまい負動産になる事例は私どもの相談でも多くあります。
終活を考えるのであれば、自分がたびだったあと、子ども達が困らないよう家じまいについても考えてみてはいかがでしょうか?
相談は無料です。いざという時に対応方法と信頼できる相談先を確保しておくだけでも将来の安心につながります。Aさんのように困っている空き家をお持ちの方はなるべく早くご相談ください。
当社で買取りも可能です。以下は三木市において、実家が空き家になったときに想定されるリスクです。参考にしてください。
1. 毎年の税金・維持費負担(約20~30万円/年)
空き家であっても、所有者には毎年、固定資産税・都市計画税・火災保険・基本光熱費などの維持費が発生します。
例えば、建物と土地で評価額3,000万円程度の場合
固定資産税(1.4%)…約42万円
都市計画税(0.3%)…約9万円
火災保険や電気・水道の基本料…約数万円
仮に使っていない家でも、年間で50万円近いコストが発生するケースも。田園都市である三木市では、こうした「持ち続けるだけの負担」が見えにくいという声もあります。
2. 老朽化・倒壊の危険(突発的な出費が数十万~数百万円に)
空き家を定期的に管理しないと、雨漏り・基礎の腐食・シロアリ被害などが徐々に進行します。最悪の場合、地震や台風で倒壊すれば、隣家への損害賠償責任が発生することも。
修繕費は1箇所で数十万~、広範囲に及ぶと100万円超の出費になることもあります。
三木市は山間部と住宅地が混在しており、見通しの悪い斜面地では特に注意が必要です。
3. 不法侵入・犯罪の温床に
空き家の多くは「人目が少なく、管理されていない」という特徴があり、不法侵入や不審者の拠点化、さらには火災や事件の発生源になる恐れも。
こうなると、売却や賃貸の選択肢も狭まり、地域からのクレームや行政指導に発展するリスクもあります。
4. 害虫・害獣の繁殖(周囲にも迷惑が)
ネズミ、ハクビシン、シロアリなどの害獣・害虫の温床になるのも空き家の大きな問題。繁殖による悪臭や騒音が近隣にも及ぶと、苦情や関係悪化の原因にもなります。
三木市のように緑豊かな地域では、自然との距離が近い分、獣害リスクも現実的です。
5. 景観悪化・近隣トラブルの火種に
外壁の崩れ、雑草の繁茂、郵便物のあふれなどは**「空き家」として周囲に強く認識される要因**になります。
その結果、
ごみの不法投棄
放火や落書き
景観の悪化
などが起き、地域全体の地価下落にもつながりかねません。
6. 「管理不全空家」指定で税負担が3倍に?
2023年の空家対策特別措置法の改正により、「管理不全空家」に指定されると、それまで適用されていた固定資産税の住宅用地特例が外される可能性があります。
これにより、固定資産税が最大3倍程度に跳ね上がる事態も。
三木市も空き家対策計画を強化しており、今後こうした指導が進んでいくことが予想されます。
7. 解体費用が重くのしかかる(150万~200万円+α)
三木市内で木造住宅を解体する場合、1坪あたり5〜6万円程度が相場。
25坪の建物であれば、およそ150万円前後が目安となります。斜面地や近接住宅、石垣・井戸の処理が必要な場合はさらに数十万円の追加費用が発生することも。
総まとめ:空き家を「放置」することの実質コスト
リスク項目 概算金額・内容
- 維持費・税金 約50万円/年
- 修繕・倒壊対応 数十万~数百万円
- 解体費用 約150~200万円
- 税制リスク 固定資産税最大3倍
- 社会的責任 倒壊・火災・不法侵入など
10年間放置すれば、500万円以上の出費になることも想定されます。
空き家所有者がとるべき3つのアクション
① 実態を知る・点検する
まずは建物の状態や周辺環境を「見える化」しましょう。専門業者の簡易診断や行政の相談窓口も活用できます。
② 行政や地域制度を活用
三木市では空き家の適正管理に関する啓発活動や、空き家バンク登録のサポートも進んでいます。場合によっては除却費の補助制度も利用可能です。
③ 活用か処分かを決断する
- リフォームして賃貸・売却
- 家じまいして更地活用
- 地域福祉・観光活用など第三者連携
早めの判断が、資産の毀損やトラブル回避につながります。
空き家を「負の遺産」にしないために
三木市では、空き家が単なる個人の問題でなく、地域全体の安心や価値に関わるものとして捉えられ始めています。
「まだ使うかもしれない」「処分はそのうち」といった“保留”が、やがて多額のコストとトラブルを招くことに。
だからこそ、今こそ空き家をどうするかに向き合うことが求められています。
三木市の制度や地域事業者と連携しながら、将来の安心につながる一歩を踏み出してみませんか?