実家の片づけは「暮らしを見直すチャンス」 〜72歳のお母様と娘さんが一緒に始めた生前整理〜
date_range2025/7/22
text_snippet

三木市や小野市、明石市、神戸市で空き家の有効活用相談を行っている空き家有効活用株式会社の野村です。
「そろそろ実家をどうするか考えなければ…」
そう思いながらも、つい後回しにしていませんか?
今回は、72歳のお母様と娘さんが一緒に取り組んだ実家の片づけについてご紹介します。実家の片づけは、ただの生前整理ではなく「これからの暮らしを見つめ直す時間」でもありました。
実家が将来空き家になるかもしれないと感じている方や、ご両親の暮らしをサポートしたいと思っている方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
目 次
「娘に迷惑をかけたくないから、そろそろ身軽になっておきたいんです」
そう話してくださったのは、築29年のマンションで一人住まいをされている72歳のお母様でした。
元気ではあるものの、「いつ何があってもいいように、子供たちに良い状態でマンションを残してあげたい。その後は貸すなり、誰かが住むなり好きにしたら良い」と、マンションリフォームの相談に娘さんと来られました。
母と娘 二人三脚の実家片づけ・生前整理
娘さんは、こう話してくれました。
先日、母が「いつ何があってもいいように」、実家の片づけを手伝ってほしいと話してくれました。
はじめに取りかかったのは、母自身のクローゼット。
着なくなった洋服やバッグを手放し、使わなくなった箪笥も処分。
食器やお布団など・・・使わなくなってそのままにしてあるものが、次から次へと出るわ出るわ。
これは母一人で整理するのは、無理だと思いました。
最後は、私や弟たちが残していったアルバムや教科書、昔の書籍なども見直すことにしました。
家族の思い出を共有しながらの片づけは、想像以上に心が温まる時間でした。

空いたスペースを見て、母はポツリと「物を手放すと、気持ちも軽くなるのね」と言いました。
すると、不思議なことが起き始めました。
空間が広がり、風通しもよくなったリビングに、母が少しずつ前向きになっていったのです。
「もっと孫にも遊びに来てほしいから、リフォームしたい」と言い出しました。
生前整理は不安を減らすだけでなく、暮らしを豊かにするもの
片づけ=面倒な作業、というイメージを持つ方も多いかもしれません。
ですが、実際には「今をどう快適に生きるか」を考える時間でもあります。
生前整理を通して
- 空間が整うことで心に余裕が生まれる
- 将来の不安が軽くなる
- 家族との会話が増える
- 新しい暮らし方に目を向けられる
というように、心と暮らしにゆとりと豊かさがもたらされるのです。
絨毯だった床をフローリングへ、トイレや洗面台、壁紙も当社でリフォームさせて頂き、築29年の家が新しい空間へと蘇りました。
その後、お母様はよくお友達や親戚を家に招くようになりました。
楽しそうにお茶を飲んだり、孫たちと遊ぶ姿を見るたびに、「実家の片づけは、モノを減らすだけじゃない。人生を整えることなのかもしれない」と、娘さんがおっしゃっていたのが印象的でした。
実家の片づけで学んだこと
- 一気に片づけようとしない。まずは「自分の持ち物」から
- 片づけは減らすだけでなく暮らしを整える
- 気持ちが前向きになると、家の使い方・人との関わりも変わる
実家や親の家のことを考えると、どこから手をつければいいか分からず、不安になる方も多いかもしれません。でも、まずは「今の暮らしを快適にするための片づけ」から始めてみることが、将来の選択肢を広げてくれる第一歩になるのだと、実感しました。
「親が元気なうちにできること」
「子ども世代だからこそ手伝えること」
そんな視点から、空き家になりそうな実家について考えるきっかけになれば嬉しいです。