【相談事例】自宅の名義人が認知症になったとき、家は売却できるのか?
date_range2025/6/25
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老後の生活や介護、施設入所など、家族の暮らしが変わる中で、自宅の売却や空き家の活用について悩まれる方が増えています。
特にご高齢夫婦の場合、「認知症」や「介護」が関係してくると、不動産の手続きがスムーズに進められないケースもあります。今回は、認知症の診断を受けたご主人を持つ奥様からのご相談を通して、名義人が認知症の場合に必要となる手続きや制度についてお伝えします。
目 次
ご主人が施設入所へ…奥様からの自宅売却についてのご相談
「主人が施設に入ることになり、自宅を売ってその費用に充てたいのです。」
そんなご相談をいただきました。
数年前から、ご主人に物忘れなどの症状があり、最近では「認知症」と診断され、要介護状態になりました。現在はデイサービスを利用されていますが、老老介護の限界を感じ施設への入所を検討しているとのことでした。
しかし、ここで大きな壁にぶつかりました。
なんと、自宅の名義人はご主人。つまり、認知症を患っている名義人が、不動産売却の契約を行うことになるということです。
認知症になると、自宅や不動産売却はできないの?
多くの方が見落としがちですが、不動産の売却契約は、原則として名義人本人が行う必要があります。
認知症によって「意思能力(判断能力)」が低下しているとみなされると、たとえ本人が売却に同意したとしても、その契約は無効とされる可能性があります。

そのため、「施設の入所費用に充てたい」「空き家になる実家を処分したい」と考えていても、名義人が認知症だと簡単には売却できないのが現実です。
認知症の名義人が所有する家を売却するには?─成年後見制度の活用
では、認知症の名義人が所有する不動産を売却するには、どうすればよいのでしょうか。
認知症の方の資産を動かすには、原則として「成年後見制度」の利用が必要です。
成年後見制度とは、認知症などで判断能力が十分ではない人の権利を守る人(後見人等)を選び、法的に支援を行う制度です。後見人が選ばれると、本人に代わって財産管理や契約の締結・取り消しなどを行ってくれます。
成年後見制度のポイント:
- 本人の判断能力がすでに失われている場合は、「法定後見制度」を利用します。
家庭裁判所が後見人を選任し、後見人が不動産の売却手続きや財産管理を行います。 - 判断能力がまだ十分に残っている場合は、「任意後見制度」を利用します。
後見の範囲や後見人になる人をあらかじめ自分で選んで契約に定めておけます。 - 判断能力がある場合、「家族信託」を利用します。
家族に財産管理などを託す契約を結び、裁判所を介さずに手続きできます。
増えています「高齢者の自宅売却」「空き家の売却相談」「親の家じまい」
近年、空き家や親の実家の売却に関するご相談が非常に増えています。
特に、高齢の親が認知症になってからでは、スムーズな売却が難しくなるケースが後を絶ちません。
今回のご相談者様には、成年後見制度の詳細をご説明し、息子さん・娘さんを交えての「家族会議」を行っていただくようお伝えしました。
空き家・実家の売却は「元気なうちに」がカギ!
- 名義人が認知症になると、不動産の売却は簡単ではなくなります。
- 売却には「成年後見制度」の活用が必要になることも。
- 判断能力があるうちに「任意後見」や「家族信託」など、将来を見据えた対策が可能です。
「まだ大丈夫」と思っていても、万が一はいつ訪れるかわかりません。
ご家族で“家”や“資産”について話し合えるタイミングを逃さずに、早めの準備を心がけましょう。
空き家やご実家の売却と活用にお悩みの方へ
「どうしたらいいかわからない」そんな時こそ、私たちにご相談ください。
これまで培ってきた知識と経験を活かし、あなたとご家族の想いに寄り添いながら、最適なご提案をさせていただきます。
少しでもお力になれれば、私たちにとって何よりの喜びです。